納涼に 箸もてつつく 座の和み 祐
立秋や 山の翠黛 限りなし 祐
大文字 逝きし親友 炎のかなた 道心
しのびよる 秋の気配や 月の夜 こぼり
その昔 秘密基地有り 木下闇 はるこ
遠花火 ゆうげの仕度 急ぐ君 はるこ
なすトマト 赤鬼の夫(つま) 今かえる はるこ
みどり子の 靴にかけては 砂遊び 孝和
終る夏 孫の宿題 悩む祖母 松子
梅雨明けて 干す梅愛し 屋根の上 まさこ
束の間を 命の限り 蝉しぐれ 舞
かけ軸に 扇風機の風 当る音 水琴窟を 思う風流 松子
カナカナと 夏の終わりへ 蝉しぐれ 草に抱かれ チンチロリン 風
好きですと 口では言えず 雨の中 小さな肩を ふるわせた人 舞