男体の はるかな雲に 秋惜しむ 静穂
ひよ鳥よ 秋は夜長ぞ 起すなよ 松子
秋明菊 庭をうるおす 紅白で 松子
秋深し 茜の空に 雁渡る こぼり
行く秋や 野山の錦 そよぐ葦 こぼり
天高く 横断歩道を 猫二匹 晴子
誕生餅 十五夜様と まる三つ 晴子
秋空の 社の森に 鈴鳴らせ ベンチの友と 語らいを待つ 松子
ののちゃんと 竜頭の滝は 行かねども 赤い洋服 ひとひら もみじ 孝和
秋の空 そぞろ歩きの 散歩道 そよ吹く風に 揺れるコスモス こぼり
秋深し 貴女と歩む 石だたみ 紅に燃ゆ 八幡の杜よ 風
爽やかな 杜の片隅 ベンチにて おにぎりの梅 甘ずっぱいなあ 舞