十二歳(とせ) 庭に新芽の 福寿草 松子
淡雪に 集える乙女 みんな古希 松子
退職し 健康と未来を祈願 八幡宮 ともみ
寒風に あゆみをやめて 暖をとる 孝和
しもつかれ 食して母を 思い出す たけし
したたりて 落ちる雪どけの水が 髪を濡らして 神の告げ聴く 知
泣き事は 云はぬ強気の 妻なれど 抗癌剤の副作用 如何に 小磯
ガード下 くぐればそこが 自治医大 不安がよぎる 今日の診察 こいそ
朝練の かけ声響く 宮の杜 老骨にまた 元気いただく こいそ
旗振りの 綿入れパパの 色やさし 群すずめ
トカチェフに 挑む少年 冴返る 群すずめ
親し友 急に逝きをり 虎落笛(もがりぶえ) 仁
遠来の客 恙がなく 冬座敷 仁