端居して 孵化した幼魚 数ゐたり 道心
囀(さえずり)の 共振深し 山路かな 道心
緑蔭や 十八段の やしろかな 優花
七夕の 願いはひとつ 晴れの空 とおた
甲冑を まといし子等や もののふに たけし
今日ひと日 心にしみる 思いかな 美代
猛暑日に 緑の稲穂 しらぬふり 孝和
ゴーヤ棚 節電役目 はたすかな 松子
ミニガエル 俺にもくれよ その元気 高齢者
薫風に あじさい浮かぶ 鎌倉道 静穂
青嵐 トレーラーに乗る 娘のピアノ あじさい坂を 走り去るかな 静穂
上州の うどんとろろの 昼膳に あじさいひとひら 添えられてをり 静穂
梅雨晴れて 右に男体 左に富士 中に間々田の 緑田んぼ 松子
雨あがり 散歩道かえ 友にあい 長き歳月の 思い出語り 秋翠
渡良瀬の オリンピックか コアジサシ 水に飛びこみ しぶきあがらず 孝和