商いに 飽きず一路や 冬ぬくし 仁
どんど焼き 去年の想い 背けむり 仁
千両の こぼるる三和土(たたき) 福福し はるこ
蠟梅や 日毎日ごとの 花いくつ はるこ
冬夕焼 星を迎えに 影の富士 はるこ
薄氷(うすらい)や 木洩れ日にぶき 射影かな つむぎ
山脈(やまなみ)を 遥かに土手の 薄霞 つむぎ
鴨歩む 古墳の苑や 春浅し つむぎ
銀杏・紅葉 おちばめざして 猫はしる 杉の
ボランティア オカリナ音色 東風にのせ 松子
マスク顔 そろそろはずす 梅の香に 松子
東風に乗り 鳶は大きく 円描く 吉
初春の すがしき朝の 宮詣り 吉
日なたぼこ 土竜の上げし 土の山 はるこ
虎落笛 今日のできごと 夢うつつ はるこ
風去りて みずみずしきや 蕗の薹 はるこ
春風や 小枝が淡く 寄り添って 風
神殿に 鈴音合掌 先人の顔 松子
庭芽ぶく 一番のりはボケの花 この身案じて 悟すは朱色 松子
待つに待ち 庭に一輪 福寿草 思い出させる 如月の別れ 松子
かすむ空 車窓のむこうに 筑波山(やま) 横には君が 微笑んでいる 舞