光射す 茅の輪を猫も 潜りケリ はるこ
炎昼の ホールや流るる モルダウ はるこ
「ただいま」は 泥とたんこぶ 夏の夕焼 はるこ
蜥蜴蛇 旧知のごとく 庭に居り はるこ
狛犬の 影に寝そべる チビとクロ 風
野天風呂 二人で見上げる 鰯雲 風
午後の杜 風鈴の音 かすかなり 舞
木樹の間に さるすべりの朱 目にしみる 風
どこまでも 笑顔の向日葵 つづいてる 小五女子
相撲取り 奉納する日 今この時 光
虫しぐれ いつとき止まる 二十二時 はるこ
境内の 無患子(むくろじ)あまた 嵐前 はるこ
知らぬ間に 薄の海や 遊水池 はるこ
秋暑し 新元号も あとわずか 松子
玄関に こうろぎみつけ 靴そろえ 松子
孫家族 初船旅に 地図ひろげ 話題に混じる ルーペ持つバアバ 松子