花語り 古希の幸せ 葉月色 星一
足ゆらぎ せわしい盆に 肩で泣く 星一
境内の巫女 緑陰の ヤブミョウガ はるこ
近道のないこと 知った日 捩(ねじ)の花 はるこ
甜瓜(まくわうり) 昭和の顔して 道の駅 はるこ
長雨に 待てぬ苦情か セミの声 まつこ
夏休み 孫の帰省を 待つひとり まつこ
コロナ禍を 孫とちょうちん 亡夫の送迎 まつこ
かけ込みて セミしぐれ待つ 杜の中 あくつ
送り盆 ナスに足つけ 夕陽のもとへ あくつ
ひまわりの輪 亡き顔重ね星空に 線香かおる 迎えし盆に まつこ
池の上吹く風に 鳴る風鈴の ひらひらと 舞う短冊のあまた あくつ