階段に 朱をこぼすや 水引草 はるこ
今だけは 時疫忘るる 秋の空 はるこ
快速は 釣瓶落しの 街を過ぐ はるこ
茜空 追憶に酔ふ 月見草 笙
産土に 蜻蛉生まるる 昼の月 笙
夕暮れに 鴨ひくく飛び ねぐらへと あきこ
鴨のむれ 幼な子の手の パンを待つ あきこ
灯火親し 八十にして 読書三昧 道心
秋高し 仰望のぞむ 不二の山 道心
商に 長ずることや 秋茜 道心
万緑や 青春時代の 想うこと 道心
老ゆるとは 静かな進化 年あらた 道心
為し遂げし 深い眠りの 秋田んぼ 道心
秋麗空(うらら) 想膨らみ 無限大 道心
朝明けの 落花生畑 カラス群れ まつこ
晩秋に 花園消えた 造生地 まつこ
秋しぐれ 朱色の小花 畦にはう 星一
おなじ道 酔って 語って いき白く 星一
開拓で 追れし野鳥 いま何処 群れ飛ぶ知らせ 新居のねぐら まつこ