ミンミンと 元気なセミが 鳴いている あかね
セミの音(ね)に かすかに変わる 秋の風 章人
水芭蕉 おいでおいでと 言ふように 小磯
花火たち 大輪咲かせ 顔見せて 孝和
久びさの 孫の笑顔に 勝る福なし 松子
孫去りて 思い出語る 夏の夜 孝和
しそジュース 一口飲みて 母の顔 この色の服 一重の着物 和子
ほろ苦い 鉢植三種 初ゴーヤ 料理の腕を 奮わす美味に 松子
震災を 受けし街より 七時間 訪れくれし 嫁の両親 小磯
惨状を 写真が語る 陸前高田 心の復交 想いやらねば 小磯
新しい 「ふるさと」のよう デジカメの 父・母・子・孫 いわきの茶の間 和子
なつかしき 避難所の顔 そろってる 五年の君は 少々大人び 和子