熨斗餅や のしに汗かく 孫四人 仁
御煎見て またかと飽きて 雑煮かな 仁
寒風に 揺るぎもなしや 富士の山 小磯
去年(こぞ)今年と 絵馬カラカラと 風に鳴り 優花
吹く風の 冷たきほおに 残り雪 小磯
雨あがり 初冬の家並み 小さ切り日和 静穂
川霧に そっと口ずさむ 「冬景色」 静穂
ガラス越し 映れる空や 暮早し たけし
寒波耐え 芽出す鉢見て 春思う 水芭蕉
本殿の 猫一匹の 冬安居 群すずめ
試験前 学びやあとに 猫遊び 一年生
本殿に みるみるつどう 猫だまり 藤太
冬の夜 寒さをしのぐ 猫にふれ 一年生
冬の日の かなしみ払う 猫じゃらし ぼたん
山茶花の こぼるる小径 古墳へと 群すずめ
鬼石の 冬サクラ見ゆ 雨あがり 孝和
夜の風 今朝はおさまり 白扇の 富士を拝みて ああ感動す 孝和
故郷を出でて かれこれ五十年 追憶の日々 女女しくないか 小磯
愛するが故に 逢はずに汽車に乗る 心はそこに 残したるまま 小磯
唐楓 古式豊かな たた住い 昇り龍かな 板戸襖絵 静穂
古民家の 梁格天井に 歴史あり 神棚仏壇 色づく秋に 静穂
元旦の 風呂事始め 朝の風呂 猫やカラスの声 遠くにぞ 川崎の旅人