人の棲む 気配もあらず 天気草 そよ
新米や 旬を迎え 三杯目 雅子
新米の とりもつ絆 強めたり 久代
錦鯉 不器量の来て 恋をする そよ
稲穂刈り 坊主になりて 鷺の群れ 孝和
彼岸花 下草刈りて 赤つよめ 松子
「はな」と来て 心が和ごむ 八幡宮 京子
老いぬれど 願いごとあり 流れ星 そよ
義母の忌や 紫濃し 桔梗咲き そよ
ひぐらしや 語り部会の 奥座敷 しずほ
灯ともりて 切妻瓦の 家並に 琴の調べや 語り部の会 しずほ
垣根越し すすきひまわり 揺らす月 五輪の夢を 心一つに しずほ