水温み 池の住人 甲羅干し 祐
渡良瀬の 朝立つ野辺の 末黒かな 利
目借り時 詮ないことに 時わすれ 仁
掃き人の 心洗(現)わる 宮の杜 京子
陽だまりに つどうは春の 日々の音 めがね
待ちに待ち 白砂利踏みて 伊勢参り 松子
芽ぶく春 氏子の友と 伊勢参拝 松子
うぐいすの 初鳴き聴きて 梢みる 孝
きれいだな 芽ばえる木々と 君の顔 モモ
かしわ手の ふるえる音に 菊香る 善
七五三 見られぬ孫の 健やかに 京子
昼下がり 紅葉かがやく ひとりじめ 祥子
静寂な 社に響く かしわ手と 白装砂利に 託す伊勢宮 松子
雛祭り 子の行く末や 健やかに 祈りし宮に 梅の香白う こぼり
凍てつきし 池面に群れる 水鳥の 羽撃く春や 桜花咲く こぼり