日暮しの鳴きて 秋の風涼し あおき
刈田焼き 新米香る けむりかな 松子
老いてなお 母の役目の 終わりなき 京子
風邪の耳 すすきささやき 夏疲れ 松子
五月晴れ 娘の子への 願い込め 京子
ゆく夏を 惜しみて鳴くや 蝉かなし こぼり
かたちよし 焼いて味よし さんまかな 利
賑やかに 下天のまつり 曼珠沙華 祐
ハクビシン 貯水槽深く 止どまりて 餌はやらぬと 風ばかりでは 孝和
みずひきや 幼き頃の おままごと 茶わんにのせて 赤飯どうぞ 松子
旅立ちて 水鳥たちよ いつ帰る 萩の花咲く 秋深き頃 こぼり