鴨去りて 八幡池に 春さくら ふ一
花満ちて ひとひら待ちし かも二匹 はな
池の面に 花の雫が 降りにけり 茶子
満開の 花風にまい ひらはらり こぼり
陽炎の 夢殿に入り 日影かな 仁
かげろうや おぼしき女人 水鏡 道心
春田打つ 今は概して 喜寿の人 悠
桜散り しとしと降りぬ 穀雨かな こぼり
花の雨 裳裾をつまみ 歩みけり そで
桜まう あなたと二人 うかれぎみ くり
桜散り 蛇を迎えて 夏がくる メグ
しなやかに 日々すごせしや 健やかに 病は気から 風と流れる こぼり
花筏ゆらぐ 水面に誘われて 鯉ははしゃぎて 心も踊る 葉月
永久に あなたと歩む 風と舞い 肩をだきしめ あじさいの道 舞風
桜咲く 貴女を想う 温もりが やさしく薫る 春の午后かな 春風
神殿の 茅の輪結びて 病治ゆ 松子
花おぼろ 友の笑顔に 重なりて 晴子
山笑い 口笛吹けば ビバルディ 晴子
紅蕾 まさに咲かんと さくら道 歩けよ乙女 あずま屋までは 孝和