梅雨長し ひざの古傷 なお疼し 静穂
緑り濃き 風に誘われ とんぼ飛ぶ 静穂
早苗田や 男体山に 雲の峰 静穂
猫の仔に 曳かれてくぐる 茅の輪かな 晴男
あさがをの 梅雨明けまでに 葉影張れ 孝和
おはように トマト・キュウリの 来訪者 松子
炎暑除け 朝顔市の ニューカラー 松子
初選挙 終わりてまぶしき ポニーテール みゆき(娘と共に)
父母の 記憶間遠に 桑いちご はるこ
紅をさし 恥じらい咲くや 古代蓮 はるこ
白無垢の 渡る神橋 喜雨の中 はるこ
蝉の音に 羽を合わせて 舞うあげは 舞
猫二匹 まとわりついて「ニヤア」となく 風
大木と めぐみの都 八幡宮 詠み人知らず
初ゴーヤ 形変れど 例年の 味は変わらじ 苦味きく 松子
初蝉の 淋く響く 石だたみ 愛しき貴女(ひと)の 身を念じつつ 風
桜雨の 間をひととき 縫って訪れし 八幡の社は 清しき風よ 舞