ふじばかま 色鮮やかに 映える空 こぼり
穭田に 群がる野鳥 白と黒 仁
またとなき 満月煌々 恙なし 祐
敬老会 皺を刻みて えびす顔 祐
黒々と けぶる大平 秋しぐれ 祐
ひとはみな 矜恃を秘めて 秋野かな 仁
雨上がり こころ震える 秋の社 舞
初春に そっと抱いて 早や五年(いつとせ) 風
この秋の このひとときを 宝とす 舞
庭の隅 赤あかと 水引きの花 松子
秋なすび 嫁と合う味 洋食風 松子
お彼岸の 季節崩れて さくら咲く 孝和
みちのくに 秋訪れし さはやかに たわわに実る 稲穂たるるや こぼり
年寄や 何んのこれしき 輪投げなど どこへ投げるや ままならずかな 孝和
静けさや 緑に香る 雨上がり うなじにしづく 秋の夕暮れ 風