梅雨明けし 沈む夕日や 茜雲 こぼり
カラス瓜 「お便りあり」の 花言葉 こぼり
駆け出して 花野に笑う 術後の子 景
うぶすなの 藪刈り賑わう 秋の朝 仁
形代(かたしろ)の 田んぼアートで 煌めけり 祐
偕老の 炬燵で足の 合図かな 祐
秋収め 孫と食する 茄子一品格 松子
「暑いのう」 方言聞けずに 秋の風 松子
彼岸花 さそわれ歩く 江戸の道 ちづ子
押し出して 土俵の女児に 風爽やか つむぎ
もの言ひの 子ども相撲や 杜爽やか つむぎ
応援の 媼はしゃぎて 木の実落つ つむぎ
薄紅葉 爪先立ちの 土俵の子 つむぎ
秋の杜 子供相撲の 声高し つむぎ
秋夕焼 ビルの谷間を 通り過ぐ はるこ
煌めきや 銀漢降りて 韮の花 はるこ
すれ違う 女(め)の子の笑みや 夏惜しむ はるこ
向日葵や こまちはやぶさ 道奥(みちのく)へ 孝雄
笑栗(えみぐり)や いつもの道に 足下に 孝雄
激励と ぶどうの酸味 顔ゆがめ 兄の甘さや 故郷思う 松子