芥子菜や 芭蕉ゆかりの 宿訪はん 山岸
春鴨や 声高らかに 神の池 華
亀遊ぶ 水面に写る 若葉かな まちこ
杉落葉 鯉の碑み 川に向く 游月
狛犬に しばし凭れて 春日傘 水脈
境内の 空楕円なり 枝若葉 みずえ
本殿の 匠の彫や 春の杜 千秋
手水舎の 龍の口より 春の水 趣泉
二の鳥居より 緑陰の 始まれり 榮
花菜風 畦行く郵便 バイクかな つむぎ
葉桜や ぼんぼり揺れて 宴あと 緒川
葉桜の 参道に立ち 老二人 まさゑ
うららかや 玉砂利踏みて 古社 一心
桜咲き 三輪車の児 指さして みち子
乾田に 入水ありて トラの音 仁
ひらはらり 名残惜しむや 花の舞い こぼり
春めくや 窓という窓 開け放つ 景
うららかや 吾子の習いし うたを聴く 景
出航の テープきらめく 春の色 景
ありがとう 桜満開 笑顔だね 風
大吉の お禮詣りに 春の杜 舞
春の庭 故人しのびて 花競う 松子
開花声 さくら並木に 菜花添う 松子
花吹雪 にぎりにふりて 花見席 なつかし会話 八幡のやしろ 松子