葉桜や どっしり構え 奥深く 道心
春萌(きざ)す 一直線の 機械植え 道心
新緑や 日毎の輝き ダイヤかな 道心
千本ざくら 汗してたどる 夏野かな 佐為
清々し 体の芯まで 深呼吸 星一
自粛の字 上手に書けて 五月尽 はるこ
風ひかる 人工巣塔 ヒナ生まる はるこ
悲しみを そっと埋めて 木下闇 はるこ
番ちがう 先立つ甥は 夏の雲 松子
グラジョウラス 亡夫に捧げ 近況報 松子
朝顔の苗 暑さしのげし うちわ柄 松子
旅立ちに 御朱印続け 梅雨の日光 炎にのせて 送り出すかな 松子
戦いも なかりし今日も 人逝きぬ もりと
病きて 森にこだます 声さりぬ もりと
マスクして 目だけで会議 淋しかり もりと