柚子の香を トゲに苦戦し おすそ分け 星一
零下五度 金色の朝 小雪舞い 星一
それぞれに 言い分ありて おでん鍋 はるこ
山眠る 赤き前だれ 六地蔵 はるこ
マニキュアの 乾きを待てば 桐一葉 はるこ
着物つけ 兄姉にはさまれ Vサイン すぎの
神もうで いずれ昏る日か 朱鐘馗 靖行
年を越え 貴女の笑顔 手で包み 風
手を繋ぎ 睦月の鳥居 くぐり抜け 舞
泣き顔や 言い訳をする 向上心 悔しさバネに 大きく跳ねる 星一
牛車ひき いい塩梅に てくてくと 星一
自転車で 手袋選ぶ 身もかろし まつこ
冬の鍋 海語る父 家風カキ まつこ
年賀状 孫のひらがな 「またいくよ」 コロナ禍もどかし 可愛さつのり まつこ
インパネス 幼き頃の父ありて 帰る土産は キンカンあまた まつこ