ビルの街 はるの夜明けを するり行く 星一
時間わり 尻叩かれて 新学年 星一
ひとまわり 大きくなりて 春の鯉 まつ
五百年の 樹齢の威厳 冬の夕焼 たけ
天を衝く 如月の杉 君の背や 舞
梅香る 君の笑顔よ いつまでも 風
手を合せ 病のりこえ 桜待つ 風
福寿草 庭石寄りそい 春気配 まつこ
家建ちて ウグイス迷わず 吾が庭へ まつこ
なわとびを コロナ禍廻して 孫を待つ まつこ
ひとり居の 天を仰ぎて 淑気満つ 道心
老ゆるとは 静かなる進化 年新(としあらた) 道心
読書せり うたたねしたる 炬燵かな 道心
シャッターに 閉店告知 牙返る はるこ
寒の朝 カラザつまむ手 ぎこちなく はるこ
梅の香に マスクはずして 深呼吸 はるこ